派遣とその仕組み
派遣の仕組みについて
正社員、アルバイト、パートなど、さまざまな働き方があるなかで、今回は派遣という雇用形態をみていきましょう。派遣として働く場合には、他の働き方となにが違ってくるのでしょうか。派遣に関するワードとして「派遣会社」「派遣」「派遣先企業」があります。このなかでも、派遣は正社員、アルバイト、パートと違い、派遣先企業と直接雇用契約を結ぶことはありません。
そのかわりに、派遣会社との契約を結ぶことが一般的なルールです。そして派遣としての立場で派遣先企業に勤務しますので、待遇面に関することは派遣会社、実務に関する指示は派遣先企業から受けることになります。
派遣の仕事の種類
派遣には、常時雇用する「常用型派遣」と、断続的に雇用する「登録型派遣」が存在します。「常用型派遣」では、派遣会社から厚生労働省への特定労働者派遣事業届け出が必要になります。また「登録型派遣」では、一般労働者派遣事業届け出をして、許可をもらう必要があります。しかし2015年9月30日施行の改正労働者派遣法で、届け出の流れが統一され、どちらも許可制に変更されました。
また、派遣がしてはいけない仕事があります。それは建設、港湾、警備、医療に関する業務です。しかし例外として出産育児、介護の代替要因、社会福祉施設への派遣は問題ないことも把握しておきましょう。
派遣期間中の扱いについて
従来の定めでは派遣として雇用されると、原則1年間働くことができ、最長でも3年間までと決められていました。仮に3年を過ぎた場合は、派遣先企業は労働者を派遣ではなく直接雇用をしなければならず、もし派遣会社を変えたとしても派遣として同業務で勤務することはできないとされていました。また、派遣先企業の同業務での派遣の受け入れに関しても3年が限度とされ、これを超えてしまえば他の労働者であっても派遣としては受け入れることができませんでした。
しかしこちらに関しても、2015年9月30日に施行された改正労働者派遣法で、その仕組みが変更されました。変更された点は、派遣先企業の同業務での派遣の受け入れに関して、事業所の労働組合に意見を出せば3年の上限から、さらに3年ごとに延長可能になった部分です。そのため派遣労働者は継続して同一企業で勤務することもできるようになったのです。このような変更点により、派遣は継続して働けない不安要素がありましたが、派遣先企業次第では安心して長く働けるようになりました。派遣としての3年間は、もはや安心して働ける雇用形態になったといえるでしょう。しかし、本来は短期的な雇用が目的だったのが、長期的な雇用になることで、課題も残るようになったのも事実です。
専門的な知識や特別な雇用方法が必要ないくつかの業務については、派遣期間について3年を上限としない特例措置がとられていたものもありましたが、今回の改正労働者派遣法施行で統一されるようになりました。この変更点には各方面の見解がありますが、派遣全員が平等に働ける方がよりメリットを感じられるかもしれません。